神戸の庶民グルメの洋食と言えば「グリル一平」、「グリル金プラ」、「洋食朝日」の名が挙がる。
しかしながら、それらだけが神戸の洋食の店ではない。
今日紹介する「洋食いくた」こそ神戸一の繁華街にありながら値段は下町価格、レベルも高い洋食屋である。
生田神社前の生田新道に繋がる生田筋(生田ロード)とサンセット通りが交差する角に位置する。
道路を隔てて対面に大衆酒場森井本店があるところと言えば酒通にはわかりやすいだろう。
店内には重厚な四人掛けテーブルが8卓とカウンターがあり、35人は収容できる広さ。
ごらんようにオープンキチンで種も仕掛けもない。
それだけ味に自信がある証拠でもある。
オーナでもあるシェフの山田肇さんに聞いてみました。
「創業は・・」
「昭和24年ですから、かれこれ57年になります。」
「店名の由来は・・」
「生田神社の前ですから、いくたですね。」
「おお、なんと単純明解国語辞典ですね。」
「え???」
すごい老舗があったものです。
あのバライカが55年、カルメンが50年ですから、それを凌ぐ歴史を持つ名店。であるのに威張ったところないのいい。
入居しているビルは震災後の建築かと問えば、18年前に建てたものだそうです。
丈夫なビルでよかったですね。
ここ「いくた」も安くて美味しい店なので、何を注文しても失敗がない。
でも「ビーフコロッケ」の「いくた」で名を高めているので、まよわず「コロッケセット」にする。
スープとライスが付いて740円の庶民価格。サラリーマンの味方である。
まずスープが来ました。美味しいです。
続いてメインディッシュのビーフコロッケです。
この店には種も仕掛けもありませんが、コロッケには仕掛けがあります(笑)。
ジャガイモを使用せず、ビーフシチューに使用する牛肉やスジ肉を使用したミンチに、タマネギとベシャメルソースを合わせただけの逸品。
ナイフを入れ口に運ぶと、とろっとしたクリーミーな食感がします。
デミグラスソースもたっぷりかかっていて美味しいです。
ひとつでは不足で、もう一個食べたくなります。
どうもごちそうさまでした。
さて、この老舗がいかに下町価格であるか、一例をあげておきます。
ハイシライス 460円
カレーライス 460円
並ランチ 600円
特ランチ 800円
とんかつ定食 600円
エビフライ定食 620円
オムレツセット 620円
コロッケセット 740円
ハンバーグセット 770円
ステーキセット 970円
ビフカツ 540円
ビーフシチュー 750円
「筆者注」
営業時間: 11時半〜15時半、17時〜21時
定休日: 水曜日