昨日、神戸文学館で開催された「久坂葉子がいた神戸」記念催しに行って来ました。
イベントは「久坂葉子と神戸を語る」というトークショーで、結論から先に言いますと、大変面白く楽しいトークショーでした。
参加者はおそらく定員をはるかにオーバーしていたと思われますが、その熱気に圧倒されてこの季節に冷房が入りました。
トークショーは久坂葉子研究の第一人者である作家・柏木薫さん、久坂葉子研究会の義山雅士さん、元ラジオ関西プロジューサー今林清志さんの三名で行われました。
柏木さんが久坂葉子に惹かれたというか、研究されたのはどうしてか、これまた結果を先に申しますと「彼女の潔さ、作品のみじみずさ」に尽きるということです。
90分+αのトークショーの中で、筆者が面識のある方の名前や知っている店が出てきて驚きました。
柏木さんは勘所を一言に凝縮して話し、あとの二人はお仕事柄、流暢にお話をされていました。
老若男女を問わず、久坂葉子の作品を読んで欲しいというのがお三方の思いと感じられました。
すでに著作権が切れていますので青空文庫のサイトで無料で読むことができます。
また12月25日までの展示会の間だけ、久坂葉子の自筆原稿も見ることができます。
本日いただいた記念催し「久坂葉子と神戸を語る」資料はA3サイズで6ページもある力作で、これを入手できたということは貴重で後日の研究の資料にしたいと思います。
資料には久坂葉子が亡くなった昭和27年の久坂葉子、柏木薫さん、国内外の出来事・世相が対比してまとめられています。
例えば、一月七日、柏木薫さんの日記は「生田神社前の自由でパイナップルクリームを食べ、阪急会館で”血と砂”を観る」とあります。こういった記述が一年分もあり、当時の神戸の風を感じることができます。
資料には久坂葉子の年譜、久坂葉子文学散歩MAPも付属しています。
この貴重な資料、ほんとうにありがとうございます。
11月8日に「久坂葉子と神戸を聴く」が予定されていまして彼女作の戯曲「鋏と布と型」の録音(死後二年後にラジオ放送)を聴くことができるそうです。
残念なことに参加募集は定員に達してしまったということです。
↑「久坂葉子と神戸を語る」資料