東京シルエット


 
成田一徹さんが朝日新聞東京版に2007年から2年9ヶ月に渡り連載した「東京シルエット」が一冊の本になった。それが今日届いた。
 

 
成田さんは言う。

「東京の谷中に住んで20年、江戸、明治、大正、昭和、平成と変遷してきた首都の面影を刻みたいと方々を歩き回った。人気スポットは、なるべく避け、東京にこんな所があったのか、こんなユニークな人がいたのか、あるいはこんな視点があったのか。江戸っ子も東京人もその意外性に、軽く驚きの声をあげるような、風景なり人なりを選ぶようにした。奇をてらったつもりはないが、多様な顔をもつ東京の、だれも知らない一面を描きたいと思った……」
 
それにしても市民の文化を大切にする東京は羨ましいと思う。わが神戸は由緒ある歴史的建築物でもいとも簡単に壊してしまう。最近の例では須磨にあった室谷邸だ。
 
今夜は、この本に掲載になった切り絵を通して、かつて生活したことのある東京に思いを馳せながらグラスを傾けたい。
 
「筆者注」
 東京シルエット 切り絵・文/成田一徹:創森社 定価(本体1600円+税)
 神戸元町海文堂書店でも取り扱うと聞いている。