巨星墜つ



ダイエーの創業者である中内功(工に刀)氏が昨日亡くなられた。
今日、氏の生家があった神戸市兵庫区東出町に足を運んだ。
直接お会いしたことはないが、1980年代にダイエーの新店舗やホテルのコンピュータ関連の仕事をさせていただいた。
駆け出しのサラリーマンの頃、南は福岡から北は北海道の開店前の店舗や成田のホテルに何度も足を運び勉強させてもらった。




神戸が生んだ稀有な実業家であり、ふるさと神戸への愛情あるまなざしは阪神淡路大震災でいかんなく発揮された。兵庫区の下町である稲荷市場にも顔をだす人だった。




今日は中畑商店に寄ったら、プロの競輪選手やイラクサマワ帰りの体格のいい人も休みとかで来ていた。
今日の神戸新聞に詳しく掲載されているが、お好み焼き「ひかり」の前を通過しようとすると、小林あや子おばあさんが、そっと店の窓を開けて話し掛けてくれた。
しばしの間、中内氏を偲んでお話させていただいた。
「われわれのような者にまで、やさしく接してくれた。頭を使う人だったから早く逝かれた。残念です。」と。


消費者の側に立って流通革命を推進した中内氏は、大手メーカーとの衝突も辞さなかった。その功績は、けっして小さくなるものではない。その行動哲学で多くを教えてもらった気がする。
晩年は教育を通じて若い人たちの育成に力を注いでいた。道半ばで、無念であろうと思うが、愛してやまなかった神戸の地で逝ったのはある意味でよかったのではないだろうか。
まさに巨星墜つである。超高齢化社会の83歳、早い気がする。ご冥福を祈りたい。