ちくま文庫「大衆食堂」

セブンアンドワイに注文していた文庫「大衆食堂」が近くのセブンイレブンに届いたので、取りに行ってきた。便利になったものである。



ご当地の名前を冠した新しいタイプの食堂が台頭し、若い人には人気もまずまずのようだ。
しかし街にある大衆食堂は、そのようなタイプのものばかりではなく、昔ながらの大衆食堂が一方にはある。
そのような東京に古くからある大衆食堂を一軒ずつ回って、それぞれの店の特徴を見出して一冊の本になったのが2002年、その文庫版が本書である。
約20軒ほどの味のある大衆食堂が掲載されている。


昔からある大衆食堂では定食というものがなく、客が好きな「おかず」とご飯、味噌汁を組み合わせて自分なりの定食とする店も少なくない。

最初に紹介された食堂の記事で、こういう描写がある。

「やっぱり若い人にいますよ、『なんとか定食ってないですか』って言うお客さんが。で、『ウチは好きなものを選んでいただくんですよ』って言うと帰っちゃう人もいるんです。自分で選べないんですよ。情けないですよね、今の人は・・」
そう言って、くぅくぅくぅとおかあさんは笑った。

ああ、メニューを自分で選べないなんてどうなっているんでしょうね。

とにかくオススメの一冊である。