神戸市長田区御蔵通1丁目に御蔵ホワイト(みくらホワイト)はある。大正から昭和に変わるころ、大衆喫茶が神戸に誕生し、やがてホワイトと名乗るようになった。3〜40年以上も前にはホワイトの系列店が神戸市内だけでも70店を数えた。
ところが震災直後には19店、現在電話帳で数えるとわずか5店で、いまでも営業しているホワイトの一つがこの御蔵店である。
震災の翌年の九月の地元新聞の特集「まる得あじ横丁」に御蔵ホワイトが掲載になった。
ホワイトと言えば「ミーコ」。つまりミルク入りコーヒだ。
かつてはミーコ専用のグラスがあり、この御蔵ホワイトでも5個が残っていたが震災で店とともに焼失した。
そのグラスがモトコーのホワイト高架下店にいまも現存する。
店主の志智さんは、その後似たグラスを手に入れたが、どうもしっくりこない。
ただしスプーンは、昔のものが残っている。
店の朝は「モーニング、ミーコで」という近所に住むなじみ客の注文ではじまり、話がはずんだ。
震災後は、長屋がなくなり空き地ばかりが目立つ。そして、なじみ客も減った。
だが、常連客に「店をなくしたらあかん」と後押しされて、まだ頑張ると今日も店を開ける。
みなさんも、近くに行ったら寄ってほしいと思う。
「店情報」
所在地:神戸市長田区御蔵通1丁目43−2
地図:このあたり