三栄@阪急芦屋川


仕事を終えて、楽しみは食事です。
阪神から阪急へ、今津で乗り換えて芦屋川で降ります。
駅の北にあるサンモール商店街に沿って西に歩くと文豪・谷崎潤一郎の「細雪」に登場する医院のモデルになった、おされな重信小児科医院が見えます。
この先に目的の三栄があります。
芦屋にこんな庶民的な食堂があることに驚きます。
甲南の学生さんらの胃袋を満たしてきた名店です。
大きなテーブルが2卓あるのみで、当然相席になります。
でも、譲り合う精神も含めて、この店は後の人生に役立つことを数々教えてくれます。
拙書「神戸おとなの美男美女食堂」からの引用で〆させていただきます。

数年ぶりに寄って、一番人気の「たれ焼き定食」を注文すると、泰子さんが「おひさしぶり」と声をかけてくれた。学生さんの顔と名前を一人ひとり覚えているだけのことがあり感動するとともに嬉しかった。
やがて運ばれてきた。たれ焼き、ご飯、味噌汁、小鉢、生たまご、香の物とボリューム感に圧倒される。
さすがは若い学生さんに贔屓にされているだけのことはある。ご飯は多め、味噌汁には具がたっぷり。美味しくて、おなかいっぱいになりました。
「10年、20年と経っても覚えてくれて、かつての学生さんが、彼女や子供を連れて来てくれます。藤原紀香さんも来てくれてましたね」と光三さんは笑顔でいう。人と人のご縁を大事にされるお二人、まだまだ物語を続けていただきたい。