日の出食堂

同じ灘区でも六甲道駅前は再開発のため昔の風情が失われてしまった。
ところがJR灘駅周辺は、まだ古い面影が残っている。






成田一徹氏の神戸の残り香に登場した灘駅のホームから同じアングルで撮影してみた。
昭和9年に完成した駅には、大きなアーチ窓と白壁の高い天井が光輝く。
この駅も橋上化を決定したと聞く。いずれ風景も変わるのだろう。いい方向に変わればいいが。


駅前から商店街に抜ける途中に以前から気に掛かる大衆食堂がある。





その名を「日の出食堂」と言うが、新在家の「日の出もり家」とは関係がない。
先日、さいとうさんが行かれグルメ紀行ブログに掲載していたのを見て、出かけてみた。



店内はこじんまりしているが、由緒正しき大衆食堂そのものである。
昭和37年の創業で、現在は二代目の壺井康次さん親子が店を切り盛りする。




前回紹介の「丸一食堂」と同じくガラスケースにおかずが入っている。このなかの一品とご飯、味噌汁を注文すればいい。
「うちのカレーうどんはオススメですよ」と息子さん自慢する。
昔ながらのやり方でカレー粉からルーを作っていると言う。



カレーうどんは次回に残しておいて、定番の組み合わせにした。




鯖の煮つけ(250円)、ご飯大(200円)、味噌汁(100円)〆て550円。
日本人でよかったなあと感じる一瞬である。
鯖も味噌汁も美味しい。
ご飯大は当分自粛と前に書いたが、あれは「こふじ」クラスの大は自粛と言う意味である。

どうもごちそうさま。

「客足が少なくなった」と息子さんは嘆く。
王子公園へは阪急電車を利用する客が多く、王子動物園に行く客が来ることはないとも言う。
古くからのなじみ客に支えられている姿が、ここ「日の出食堂」でも見られる。

愛情と栄養たっぷりの大衆食堂をもっと利用してほしいと願いつつ店を後にした。