神戸長田「万味」

神戸市兵庫区にある笠松商店街の近くに練炭を燃料とするお好み焼きの店「前川」がある。
以前行った時は時間が早すぎた。今日は14時ころに到着も休憩に入ってしまった模様、休憩が早すぎ。

神戸たこやき「おふくろさん」で近くに練炭お好み焼き屋があると聞いていたので長田に移動。着いたのは休憩に入る14時半直前でセーフ。





長田区と言えば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
ゴム、ケミカルシューズ、マッチなどの地場産業の町、中小企業の町としての認識が一般的かもしれません。
一方、地域に根ざした商店街や小売市場が軒を連ね、お好み焼き屋で一つのテーブルを囲んで世間話をしながら食べると言った人情あふれた下町としても知れた町です。
震災で大打撃を受け人口の減少や高齢化、地場産業の停滞など活力が低下しているのも事実です。

しかし、今日訪問したお好み焼き「万味」のようにまだまだ頑張っている店主さんもおられます。






「万味」は店を開いて34、5年になると言う。
女主人の狩野一代さんが一人で店を切り盛りする。

逆算すると昭和46,7年ころの創業になり、店内も昭和レトロな雰囲気。
メニューも豊富でお好み焼きの鉄板も昔のまま。
しかも、燃料が練炭だと聞いて二度びっくり。





せっかくなので、業務用の大きな練炭も見せてもらいました。
練炭がある限り店は安泰かと思ったが、
「跡継ぎいないから、私一代で店は終りです。」
と寂しいことを言った。






たくさんあるメニューから「そばモダン」のそば二玉(650円、一玉は550円)を注文した。
モダンなんてハイカラ好きの神戸人がつけたのだろうかとふと思った。
練炭は火力が強いのであっと言う間に焼きあがる。






こんがりと焼きあがったモダン焼きにソースを塗る。
ここはお好み焼きの町長田であるからソースはもちろん「ばらソース」。
普通の甘いソースを下地として塗り、更にどろソースを塗るのがコツ。
どろソースの辛さが下地の甘いソースで抑えられて、初心者でも美味しく食べることができるようだ。
美味しかったので、あっと言う間に平らげてしまったが、ビールが欲しいところでしたが我慢。






同行者は「トコロテン」の張り紙に目が行き追加オーダー。
昔ながらの方法で作るので、冷たくて美味しくヘルシーだそうな。
実際、スーパーで買ったものしか食べたことがない同行者は美味しいを連発。
ごちそうさまでした。

店主の狩野さんは、きさくな人柄で、筆者らの勝手な話し掛けにも手を休めて応じてくれる。
その会話がまた楽しい。

「あまから手帖の2005年2月号に掲載されたり、ケーブルTVの取材もあった」
と嬉しそうだった。
また近くの方のほか、口コミで遠方の方も来られるそうです。

一代で店を畳まないように元気ずけに皆さんも行ってください。
いまどき珍しい練炭を燃料にした重要文化財クラスのお好み焼き店ですから。

「筆者注」
所在地:神戸市長田区駒ケ林町6−10−8 地図情報は→こちら
営業時間:11時〜14時半、16時半〜20時 
定休日:月曜日