ここは長田の久保町あたり、元祖平壌冷麺屋がある界隈、
創業昭和7年の長田流お好み焼きの老舗「みずはら」がある。
長田でお好み焼きを食べたのは、この「みずはら」が最初。
当時の屋号は「水原」、今は「みずはら」
その理由を三代目の水原さんに聞いた。
「もともと、みずはらでした、
自分の代に水原としましたが元に戻りました」
長田らしい店内で決して広くはない。
鉄板1枚のテーブルを客が囲む。
これ以上のスキンシップは望むべくもない。
これぞ、お好みコミュニケーションだ。
よく出るのはネギすじ焼き。
混ぜずに焼くのが長田流、混ぜるのは三宮から東。
鉄板の上に生地を引く。
生地の上にネギやすじ肉などの具材を乗せる。
焼きあがれば、まずソースを塗る。
お好みで「どろソース」を塗る。
油かすは、油濃くなるので使わない。
テコで口に運ぶのはハルナと同じ。
こちらはアルコールがある。
やっぱり、こうでなくては。
丁度居合わせた常連のおばあちゃん。
「前は、にくてん市場にあってん。
ネギ焼きに玉子たらしといて」
これぞ、通のご注文。
出来上がったネギ焼きwith玉子に、どろを塗る。そしてソースをたらす。
ああ、常連さんはしぐさがひと味もふた味も違うなあ。
そっと外の方角を見ると金魚が泳いでいる。
ああ、長田の神戸の庶民の暮らし、ええなあ。
「筆者注」
持ち帰りには(コストが高くなるのに)木の舟に入れてくれる。