コスモポリタン製菓廃業

ロシア革命を逃れ日本にやってきたF・モロゾフ氏一家が1926年、神戸の地でチョコレート作りを始めてから80年。
記念すべき年の廃業である。
コスモポリタン製菓を支えてきたのは
「いいものをつくればお客様に必ずわかってもらえる」
はずだった。
しかし時代は大きく変わったのでしょうか。
栄養があって、美味しくて安い大衆食堂も見向きもされない。

ご当地名の付いた「ご飯屋」が流行という。
嗜好の多様化、古いものを大事にしない気風。
体力のあるうちの廃業を決断した事情は新聞情報以外に知るよしもない。
日本人共同経営者との訴訟問題、本家「モロゾフ」の名が使えずコスモポリタン製菓と名乗った苦難の80年。
神戸と言う街は、「喫茶店」、「映画」、「ゴルフ」、「サッカー」、「バレンタインチョコ」・・・・と例を挙げるまでもなく、日本で最初に始まったという自慢の街のはずだった。
だが、これらを自治体や利用者が大切にしてこなかったツケがきたのだろう。すべて他所の街で発展をして神戸らしさのない平凡な地方都市になってしまった。

なげいてもしようがない。
古き良き時代の大衆食堂、お好み焼き屋、駄菓子屋、立ち飲み、バーetcが存続する限り、そしてこちらの命がある限り利用させてもらうことにする。