「たこやき」の大きな字が躍る
堂々たる店構えのたこ焼きの「明石屋」。
神戸で明石焼きと言えば、「たちばな」や「蛸の壺」の名が挙がるが筆者は、この明石屋が一等に好きだ。
店主の阪本さんに聞くと開店して35年という。
もう立派な老舗である。
お昼時間も過ぎていたので焼いてもらいながら世間話し。
「お好み焼き屋も少なくなりましたね」
「なかむら、とん馬もなくなって随分経つよ」
「寂しいですね、でも小町が頑張っているようで」
「小町なら妙ちゃん知ってるよ」
「小町にもよく行くんです」
・・・
「女優の***さんも時々来てくれるよ。ドラマにも出してもらってん」
とおばちゃんは嬉しそうにケータイで撮った写真を見せてくれた。
おお凄いじゃありませんか。
そうこうしている内に、たこやきが出来上がった。
出汁の器には三つ葉が添えられ彩りも豊か。
出汁は冷たいものを出す店もあるが、明石屋は熱くていい。
たこやきはふっくらながら、中身も詰まっていてボリュームがある。
あちゅちゅと言いながら口に運ぶ幸せ。
ああ、美味しいなあ。
美味しいわけは、鰹と昆布でまじめに取る出汁にある。
初めに撮っておけばよかったのだが、蛸を出してみました。
結構大きいのが入ってました。
蛸以外にイカ、海老がチョイスでき、全部入った豪勢なちゃんぽん焼きもある。
アルコールはビール、酒、チューハイと揃っているので今度は酒のアテに「たこやき」を注文してみたい。
ひさしぶりに寄って、ごちそうさまでした。
「筆者注」
玉子焼きの聖地「明石」では玉子焼きと呼んでいるが、神戸では「明石焼き」というのが一般的。
明石屋では何故か「たこやき」となっている。明石でも「いづも」という店は「たこ焼き」と書いてありました。